それを青天の霹靂だと言わずに何というのか分からなかった。間違いなくすぐにその場から立ち去りたかったのは言うまでもない。
それから少し経った。自分があの場所で実現したかったことは、多様な価値観を映し出すことだった。でもそれ以上に今回の経験を通して思うことは、すべてに前と後があるってことだった。いまこうやって言葉を綴ることも、前がなければなかった。このメディアを立ち上げることもなかった。きっかけがあるから、これがある。
だから価値観は経験とセットだと痛感した。
2020年以降、いろんな価値観が変化していくかも知れない。自分もその真っ只中にいる。そしてまた新たなメディアを今度は個人で立ち上げることになった。
いろんな人の価値観、そして価値観だけではなく、そのきっかけになった経験。もっとよりコアな部分に焦点を当てるメディアとしてこれは始まる。
どうすればもっと輪郭のある形で、伝えられるのか。文章だけではなく、いろんなかたちをメディアとして模索している。
そして何よりも読んでくれた人が前向きになれるメディアを目指していく。少しでもこのメディアのコンテンツが、日常の楽しみになる一助になればと願っている。
結局何が好きなのか、そこに帰結するのかも知れない。それが心を動かす原動力になる。僕自身は何かを主張するとか、提示するとか、そんなことはまず優先されるものではない。これはあくまで僕のスタンスだ。それよりもまず、こんな面白い人、素敵な人がいることを知ってもらいたい。実はただそれがある。
そして人に会って話をすること、話を聴くことが好きだったんだ。ということを再認識した。誰かの目を輝かせて語る話を聴くのが好きなんだ。だから今度はオンライン・オフライン問わず素敵な誰かの話を、そんな誰かが価値観を揺さぶられた「まえとあと」の話を聴く。
そしてその話を記事として見る前と後で、ここにある記事を見た人の心境が何かしら揺さぶられることがあるなら、それがこのメディアを新たに立ち上げた意味だ。
まだまだ小さなメディアに過ぎないけれど、少しでも多くの皆さんのちょっと心の琴線を震わせてもらえませんか?
挨拶のあと
音声配信アプリ Stand.fmを使って、音声を収録しています。
Text:Daisaku Mochizuki
Photo:Katsumi Hirabayashi