【レポート】Basic Insight Vol.1 「いま」おすすめ本5冊、是非行ってほしい素敵な本屋5つをピックアップするならば。

望月大作
まえとあと 編集人

まえとあと初めてのオンラインイベントが無事に終わった想いを綴ったレポートです。

Profile

望月大作
同志社大学大学院修了。修士論文のテーマは「ガンダム」。さまざまな企業に勤める傍ら、十数年前にソーシャル系大学、「ツブヤ大学」を立ち上げる。直近ではWebメディア「十中八九」の編集長を退任後、Webマガジン「まえとあと」を立ち上げ、編集人となる。所持する資格は車の免許以外に、漢字能力検定2級/歴史能力検定世界史2級/知識検定1級。

Index

まえとあと初のオンラインイベント

グラフィックレポート:田中 圭子 @sappa_kt

大枠は決めているけれど、始まってみないとどんな着地になるかわからずに開始したまえとあとのオンラインイベント「Basic Insight」。初回は宮崎智之さん(フリーライター)和氣正幸さん(本屋ライター)に登壇をお願いして『「いま」おすすめ本5冊、是非行ってほしい素敵な本屋5つをピックアップするならば。』と題して開催しました。

初回が終わって正直に感じたことは「ホッとした」でした。

自分が主宰のオンラインイベントが久々だったこと。自分が少しでも画面の前に現れるようなイベントをすることも久々だったため、最後までどうなるかドキドキしていました。

もちろん宮崎くんと和氣くんのことは信頼しているので、そこは心配していなかったのですが、何よりも実はふたりが本格的に対談することが初めてだったことをこの企画が決まってから知りました。もう何度もいろいろと話している仲だと思っていたので、これはいい意味で思わぬ誤算でした。

本屋のはなしと本のはなしの中から、印象的だったはなしをいくつか見繕って書いてみます。

まず対談は「独立書店」の定義とは何かを語るところからスタートしました。

和氣くんが語ってくれた「独立書店」の定義とは

ここ5年ぐらいで本屋かくあるべしみたいな本屋の固定概念が覆されていると思う。たとえばノスタルジーとともに語られるのは街の本屋。一般的な本を売って商いをする本屋のイメージってあるじゃないですか。

ところが2013年に「双子のライオン堂」が白山にオープンしました。双子のライオン堂さんは週に2回しかやってない(現在は水~土営業。日曜は不定期)し、本も少なく選書専門店です。同時期に土日しかやっていない本屋が出来たり、副業で本屋も増えてきました。

本屋かくあるべしのような概念から独立して、今の独立書店のイメージに適している。

また棚を貸すタイプの本屋も増えていて、和氣くんは次の3つの書店を挙げた。

ブックマンション(吉祥寺)

ブックアパートメント(西日暮里)

ブックスタジオ(池上)

本屋はイベントや読書会などを行うことで、そのお店が中心になったコミュニティが醸成されるケースが多いが、棚賀しのお店だとコミュニティをビルドインした状態で始まるんだそうです。

独立書店の面白さと役割

棚貸しの書店の話で興味深かったのは、ブックスタジオ(池上)では地元の小学生のお子さんが棚を借りているそうです。その小学生は自分で描いた東急池上線の電車の絵をまとめた本を作っていてお店で販売しているんですが、それがまたよく売れるらしい。これは非常に面白いことが起きていると感じました。

和氣くんと宮崎くんともに、本屋の持っている商圏は徒歩200m圏内だから街の人に来てもらわないといけないのは当たり前としてある。それに加えて独立書店はそこに付加価値を加えて、わざわざ遠くからでも来たくなるようなお店づくりをしていると評していました。

宮崎くんが推す書店はいろんなフロアが多いということで紀伊国屋新宿店を挙げ、紀伊国屋にまつわる話をしてくれました。

また宮崎くんが気になる書店として挙げた分倍河原にあるマルジナリア書店については、さすが本屋ライターらしく既に調査済みの和氣くんがさらに詳細を知らせてくれました。

マルジナリア書店は分倍河原駅の徒歩0分のビル3Fにある新刊書店で、余白社という出版社が出した実店舗だそうです。いろんな人に来てもらいたいとカフェを併設されていて、看板になるメニューをとドーナツ屋に頼んで作ったのが「純粋理性批判ドーナツ」。

和氣くんの語気も非常に高まった瞬間でした。しかしながらネーミングからして非常に気になるドーナツだと言わざるを得ません。個人的にも食べてみたい。

和歌の面白み

一方で本の話題。

このタームで非常に印象的だったのは宮崎くん。宮崎くんが選んだ本の話で一番印象的だったのが「万葉集」のはなし。

まさか詩歌の話、しかも日本最古の和歌集とは、というところが個人的な驚きポイントでした。しかし和歌から学ぶことも多いんだと思ったと同時に、古文であるから取っつきにくい印象のある和歌は難しくないと再三再四力強く語ってくれるところに、宮崎くん自身が万葉集をリスペクトしている姿勢が垣間見れました。

他にもあった話では、和氣くんが息抜きとして小説を読み始めたなかで出会った小説「タルト・タタンの夢」。これはちょっとしたドラマが小気味よくてすらすら読めて楽しかった小説でおすすめということだった。

最後に、宮崎くんと和氣くんがそれぞれ紹介してくれた本屋と本についてお知らせして、今回のBasic Insight Vol.1 いま」おすすめ本5冊、是非行ってほしい素敵な本屋5つをピックアップするならば。のレポートは終了です。

【和氣正幸さんが紹介した本】

タルト・タタンの夢(近藤史恵)

モモ(ミヒャエル・エンデ)

三行で撃つ(近藤康太郎)

発達障害サバイバルガイド(借金玉)

独学大全(読書猿)

本屋、はじめました(辻山良雄)

本の逆襲(内沼晋太郎)

これからの本屋読本(内沼晋太郎)

【宮崎智之さんが紹介した本】

パリのガイドブックで東京の街を闊歩する(友田とん)

やさしくなりたい(ZINE)

言葉はなぜ生まれたのか(岡ノ谷一夫)

万葉集

君に見ている僕に少しも見えなくても(沙界夜)

【和氣正幸さんが紹介した本屋】

エトセトラブックス

ブックマンション(吉祥寺)

ブックアパートメント(西日暮里)

ブックスタジオ(池上)

【宮崎智之さんが紹介した本屋】

紀伊國屋書店新宿店

マルジナリア書店

オンラインで販売をはじめます

まだまだどの程度需要があるのか手探りではありますが、今回の本編動画と特典PDFをそれぞれ個別で販売することになりました。もしご興味ある方がいれば購入を検討ください。

『「いま」おすすめ本5冊、是非行ってほしい素敵な本屋5つをピックアップするならば。』

【本編動画の販売】

『「いま」おすすめ本5冊、是非行ってほしい素敵な本屋5つをピックアップするならば。』

【特典PDFの販売】

次回、5/17(月)開催のVol.2「いま」あらためて僕らの解像度を上げ、「街」を歩くことを考えてみる

にもご期待ください。

Grafic report:Keiko Tanaka @sappa_kt
Edit & Text:Daisaku Mochizuki