ワクチン接種のまえとあと

望月大作
まえとあと編集人

今回の記事に関しては、あくまで個人の見解に基づいたケースであるため、どういったことを考え、どういった行動を取るかについては、皆さんそれぞれの意思あることだと考えております。

Profile

望月大作
同志社大学大学院修了。修士論文のテーマは「ガンダム」。さまざまな企業に勤める傍ら、十数年前にソーシャル系大学、「ツブヤ大学」を立ち上げる。直近ではWebメディア「十中八九」の編集長を退任後、Webマガジン「まえとあと」を立ち上げ、編集人となる。所持する資格は車の免許以外に、漢字能力検定2級/歴史能力検定世界史2級/知識検定1級。

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まず陥ったことは横浜市民だったこと

自称でも何でもなく、社会人になってからはずっと横浜に住んでいる。ぎりぎりまだ30代だ。横浜は東京都と違って特別区ではないため、区ごとに独自施策を行うようなことはほとんどないと認識している。そのためこの規模が大きなネックだった。日本で一番多い人口。300万人以上いる人数を区切ってワクチン接種について知らせたり、案内したりするのだから、どんなに考えても小回り聞くような形で実施されないことは、まだ始まる前からもある程度予測出来た。だからむしろ都内の人が先に順次ワクチン接種している現実を、SNSを中心に知ることが増え、焦りがなかったかと言えば、それは嘘になる。

そもそもワクチン接種については、特にインフルエンザの予防接種は効果に懐疑的な過去があった。インフルエンザにはほとんど掛からないから、そういうことを考えていた。でも今翻って考えてみるとわかることだけど、それはまさにコロナには掛からない、罹患しても風邪と一緒でしょ、という感覚に近かったのだな、と気づいた。

だから知らないことは良くないなと感じる。

19世紀に混乱したドイツを統一した鉄血宰相ビスマルクの言葉を借りると、

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

がある。このコロナは経験して「わかった」では遅くなる場合がある。嗅覚や味覚障害、はたまたそれ以上の後遺症が残る場合もある。要はそうなってからでは遅い可能性がある。

だから、ひとまず横浜市民でも最短でワクチン接種が出来る方法を考えていた。

自衛隊の大規模接種センターの一択だった

都内の人たちの多くが、自衛隊の大規模接種センターでワクチン接種をし始めたころ、まだ自分の手元には接種券が届いていなかった。そしてフリーランスである自分は、どこかの企業からの依頼でもない限り、職域接種も受けることが出来ない。

だから、早々に自衛隊の大規模接種センターで受けること一択だと感じた。もちろん地元の診療所で接種できる機会も考えたが、かなり確率的に予約を取るまでが厳しいと感じたので、優先順位としてまず自衛隊の大規模接種センターで接種を受けることとした。

1回目のワクチン接種

横浜市民への接種券の発送は年代順になっており、その発送時期も30代は下から数えたほうが早かった。重症化しやすい年代から接種を推奨することは同意出来るけれど、300万人以上いる都市でこの方法だと、本当に小回りがきかず、結果的に接種が遅れると実感した。

接種券が無事に届いたのちは、本当に直近で予約出来るタイミングで1回目の接種を自衛隊の大規模接種センターで予約することが出来た。まだアクセスがすごく増加して難しい時期ではなかったため、すぐに希望する予定で予約をすることが出来た。

大規模接種センターで使われているワクチンはモデルナ製だったので、副反応がファイザー製よりも強いんじゃないか、などいろいろ気になることはあったけど、まずは受けてみないとどうなるか分からなかった。だから受ける前から考えても仕方ないので、少し緊張しながらもスムーズに1回目の接種を終えた。大規模接種センターは非常にオペレーションがしっかりしていて、ほとんど止まらずに接種までたどり着いた。筋肉注射もほとんど痛みを感じることなく済んだ。

気にしていた副反応も想定の範囲のなかで収まった。ワクチンを打った左腕が筋肉痛に似た症状が出ただけで、特に発熱があるわけでもなく、その筋肉痛も2〜3日経てばまったく気にならない程度になっていた。

大規模接種センターでのオペレーションで良かったことは、その場で2回目の接種予約を取ることが出来たことが、実は大きなことなんじゃないかと感じている。自分が経験したことではないので、真偽は各人の判断になると思うが、診療所などによっては改めて2回目の予約を取らないといけなかったり、予約していた予約を解除することになったりといったケースが散見されることを考えると、しっかりと次への導線も用意されている大規模接種センターは良かったのではないかと考えている。

2回目の接種

1回目の4週間後に2回目の接種をおこなった。特にモデルナ製のワクチンは非常に高熱が出る可能性がSNSを中心に見ることがあり、もうほとんど高熱になったことが思い出せないぐらいな自分は、どうなるものかと準備をしていた。接種じたいは相変わらず素晴らしいオペレーションですんなりと済み、2回目の接種も何かが滞ることもなく終えた。

さて問題はここからだ。どれだけすごい副反応がやってくるのか。ドギマギしながら。

打ち終わった日に関しては、1回目よりもすぐ左腕に筋肉痛に似た症状が現れた。ちょっと前よりも早いかなって感じだった。本格的に副反応が出るのは24時間を経過したぐらいだと見ることが多かったので、翌日が本番だと高をくくっていた。

翌日。ずっと頭がぼーっとするような状態だった。熱も自分では久しぶりに37℃台となり、それ以上に上昇することが怖かったので、昼食、夕食後にカロナールを服用した。そのおかげもあってか、接種後翌日はずっと37℃台で推移し、それ以上熱が上がることもなく、頭がぼーっとしている状況以外、悪寒などもなく一日を終えた。

ちょうど夜20時を過ぎるころになり、急に頭がぼーっとしていた症状もスッとそれが消える瞬間があった。それ以降は体調的にも急に楽になった。それ以降は地味に左腕には筋肉痛に似た症状が少し残っている以外は大きな副反応は起こっておらず、実質1日だけで、ぼく自身のモデルナ製ワクチンによる副反応は終了した。

ワクチンについて思うこと

最終的な判断は個人の判断であるし、それ以上でもそれ以下でもないなかで、いたずらにワクチンは危ないと煽るのもいかがなものかと思っていることも事実としてある。

ぼく自身はもうワクチンは2回打った。これが事実。ほとんどの医療従事者もワクチンを打っている。だからそこを逆説的に考えると、ワクチンがアカンやつだった場合、将来的にみんなヤバイよね。だってワクチンを打った医療従事者のほとんどが。。となれば、いま以上に医療崩壊が起きるわけで。。ともすると、言わずもがなで分かりやすくどうすればいいのかが分かるはずなんだけどな。。と感じている次第。

いろんな人がいろんなことを発信しているなかで、参考になっているものがある。

ワクチンに不安のある人は、どうすればいいと思いますか?

ちょっと長めなんだけど、非常に分かりやすい言葉で語られていると思う。回答しているのは、まえとあと「自分の環境を変えてみたまえとあと」の江島さんだ。

ほかにも「最新版:いますぐワクチン接種を受ける方法の探しかた」も分かりやすいと思う。

いま一番何が大切なのか。それはデマに踊らされて誤った判断をしないことだ。デマを発信する人間の根源は愉快犯だと思う。そういったデマに踊らされるのは、真っ直ぐなひとであることが多い。真っ直ぐなひとたちを狙い、それを信じてしまう。この連鎖がもっとも哀しいことだと感じている。本人たちはそれに気づいていないのだから。要はいろんなリテラシーってところに戻ってくるんですけどね。

いろんな情報がネットには飛び交っている。モデルナは副反応が強いと言われているように見えた。でもぼく個人的には副反応は思ったよりもひどくなかった。

「だから、何だ!」かもしれないけれど、最低限備えておくことはとっても大事なことで、杞憂に終わったとしても、良かった良かったで済むわけで。すべてを網羅しているものが必ずしも載っているわけではない。という考え方で臨むことが大事だ。

ちなみに、妻のワクチン接種の予約は、同じ大規模接種センターで、自分よりも後で取ることになったのだが、アクセス過多でぜんぜんつながらないケースが何度か続いたあと、一か八か電話もリダイヤルする作戦をとったところ、ネットではなく電話がつながって取ることが出来た。

最後に、東京都に設置されている大規模接種センターでも1回目の接種予約は、本日8/23(月)の予約が最終のようなので注意が必要だ。

そして横浜市長選挙の結果、、今後横浜はどうなってしまうのだろう。

本当に今回のワクチン接種の一連の過程のなかだけでも、いろんな視点をもらえた。

Text:Daisaku Mochizuki